その歩行器、いったん返却してください

馬場照美（仮名）さん　（８０さい　）　：要支援１

　　今日は3か月に1度の訪問日。府営住宅1階にお住いの馬場さん宅へ。

　　おや？いつも窓の下にカバーを掛けて置いてある歩行器が見当たらない。

　　玄関チャイムを鳴らす。

　　あぁ、いらした。　不在ではなかった。

「馬場さん、歩行器どうなさいました？。いつもの場所になかったですが……。」

「あぁ、あれ。息子が来た時に、奥のベランダに置いてもらった。」「最近使うてないから。」

　　　(´･ω｀･)ｴｯ?　使ってないの？　なら返してよ。

「歩行器なくても外を歩けるってことですか？」

「おかげさんで、最近膝の調子もマシになってきましてん」

「それなら一旦返却しましょうか？」

「いや、借りとく。300円やし」

　　　300円じゃないですよー。３、０００円ですよー。

　　　馬場さん、あなたは1割負担なので自己負担300円ですが、残り9割、2700円はどこから

　　　支払われていますかぁ？

　　　はい、介護保険です。40歳以上のみんなが払っている介護保険料からのお支払い。

　　　もちろん馬場さん、あなたの年金からもしっかり天引きされています。

使っちゃいけないワケじゃない。

　　　＜みんなの介護保険＞だから、＜必要な時に、必要なだけ使う＞です。

「馬場さん、使わないなら、いったん返却しましょう。また必要になったら、すぐに借りれますから。」

「いや、使う。すぐ使う。悪いけど歩行器、いつもの場所に戻してんか。」「痛いんよ腰が。」「コケてからじゃ遅いしな。あぁ、痛いわぁー」

　　　あぁ、そうですね。わかりました。元の場所に戻しておきます。