老人も見た目が9割

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五十嵐 博文(仮名)さん85さい   趣味:新聞読み比べ

高級有料老人ホームにお住いの紳士五十嵐さん。大理石のエントランスホールで受付を済ませ、いざエレベーターで6階へ。重厚な部屋のドアをノック。いつ伺ってもシワ一つないスラックスにクリーニング帰りのシャツ姿。少しやせ気味で長身の紳士。そんなあなたがまさかの入浴拒否ィ⁉ホンマでっか⁈ 

 「やぁ、いらっしゃい。」左腕をスッと伸ばす、いつもの決めのポーズ。

あ、ヤバい.

臭う!雨上がりの高架下、腐った水のような臭い。においの元は、あなたです。わーん💦

シャツはヨレヨレ、袖の折り目に汚れの腕輪(;´Д`)

前回訪問から3か月。ホームの職員さんから入浴拒否の相談電話をもらったのが、おととい。なんで?何があったのですか五十嵐さん! 

「お風呂ねぇ。」「何だか知らんがとても面倒に感じるんだなぁ。」     

入浴拒否のきっかけとしては一人で洗身や洗髪がしづらくなってきた、ふらつき気味で不安、浴槽またぎが困難になってきた、など考えられます。しかしプライドの高い五十嵐さんになんと言えばいいだろう。  

 それでこんな風に提案してみました。

「最近できたヘルパーステーションに30代の男性がいらっしゃるそうです。お風呂で背中を流したり、少しばかりのお手伝いを頼んでみませんか?」「僕は一人でできますよ。」「はい。気持ちいいみたいですよ。誰でも背中なんかは洗い辛いでしょ?」「うむ。そう、背中は確かに洗いづらいですな。」   そんなわけで五十嵐さん週に2回、入浴時の見守りと一部介助のサービス導入。ヘルパーさん、よろしくお願いします!   

 1か月後。「やぁ、いらっしゃい。」広いお部屋の真ん中に置かれたテーブルと2客の椅子。広げられた新聞の上にはルーペ、左手(脳梗塞の後遺症により右腕麻痺)に赤ペンでなにやらチェックされている。)おっ!散髪されている。シェービングフォームと蒸しタオルが混ざったような床屋さんのいい匂い(*’▽’)。

「短く刈ってもらったんだよ」と顔をあげる。顔色もよくなった。なんだか若返ったようです。

「ところで新聞、何をチェックされてるんです?」「あぁ、株です。このところチェックしてなかったんでね」   

あぁ、あなた様も株主でしたか。やっぱり。それにしても細かい文字と数字の羅列、三角記号。さっぱりわからん。「ひぇーっ💦」素っ頓狂な声をあげてしまった。

「よろしければお教えしましょうか?」とジェントルマン。 是非!!      

 今回もどうもありがとうございました。

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