詐欺電話にご用心

遠山　史子（仮名）さん86さい　　：　　伯爵令嬢編その２

月曜日の朝、事務所に着いた途端電話が鳴った。

遠山様（裸足の伯爵令嬢①）である。「おはようございます」

「おはようございます。朝早くからごめんなさい」

「何かあったんですか？」

「ありましたよ、あなた、大変なことが。」「金曜日の夜、妙な電話がかかってきたの。男の人の声でね、このたびガス料金が値下げされることになりました、つきましては引き落とされている銀行の口座番号を教えてください、って。こうきたワケよ」

独居老人を狙った詐欺の被害が後を絶たない。

「それで遠ぉ」

「それでね、言いました。『あたくしは大阪ガスよ。あなた何ガスなの？』って。そしたらブチって切られちゃったの。ねぇアナタ、どうお思いになる？あやしいでしょ」　　　　　　　　　

「はい」
「あたくしピンッ、ときたわ！詐欺電話だって。それで110番通報したんだけど、今からうちに来てくださいって。でもダメなんだってね。」

「事件になってないからですからね」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「今、悪質な電話での詐欺が流行ってるからこれからも用心してください、ってお巡りさん仰ってた」「でも、あとからとっても怖くなってね。なんだか夜、眠れなかったのよ」　　

それで月曜の朝まで待って、お電話くださったんですね。(^-^)

高齢女性の一人暮らし。体のあちこちに痛みを抱え、耳は遠いし、目はかすむ。　　

　それでも毎日頑張って生きてます。そんな人たちを陥れるようなことしないでください、ほんとに。

「でもね、あたくし着信番号を控えたのよ。今から言いますよ…」　　

　他のケアマネの利用者さん宅にも同じ番号でかかってきていました。やはり詐欺です。

「よくぞ被害にあわずご無事で。よかったです」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「そうよねぇ。あたくしは無事でしたが、うっかり信じ込んでお金をだまし取られるご老人だっているかもしれませんッ。」　　　　　　　

　なんだか嬉しそうに話す遠山様…．。受話器の向こうの、あなたのドヤ顔が目に浮かびます　(;^ω^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「あたくしホントに怖くて」・・・本当ですか？

「何だか、電話が鳴ったらどうしよう⁈って不安なのよ」

そこで、留守番電話にしておいて相手を確認出来たら受話器を取るようにされてはいかがでしょう？とご提案。

「それは名案ねアナタ。そしたら安心だわ。今から早速切り替えますからね、じゃあね、ごめんください。」

遠山様、お見事❣　　　　　　ありがとうございました。