岸田 信江(仮名)さん 84さい 特徴:広い声域
ここは大阪北河内。人口12万人の○○市は庶民的な町である。
本日訪問の岸田様も、この町同様気さくで飾らない、それでいて物腰の柔らかなおっとりした女性です。 平屋に息子さんと同居。息子さんは就労しており、日中独居です。
リウマチで電子レンジのダイヤルを回すのにも一苦労されていますが、着替えや洗濯などは時間をかけて自立されています。築50年の家はところどころリフォームされているためか玄関のたたきの延長に、むりやりっぽく4畳くらいのリビングがあります。そこに置かれたソファーに向かい合い、3か月に1度「モニタリング」をさせていただいております。 岸田様は3年ほど前までは通所リハビリに通っていたこともありましたが、現在はリハビリで教わった運動をこのご自宅で続けていらっしゃいます。介護保険のサービスとしてはピックアップ歩行器(室内用歩行器)をご利用中。小さな段差が多いお宅なので、これも3年前に住宅改修(介護保険)にて必要個所に手すりが設置されました。身長140センチと小柄なうえに、円背が強い為余計に小さく見えます。でもなぜか上半身だけがちょっぴりふくよかなのです。
座って向かい合い、岸田様を見ると、なんだかソファーのクッションの間に挟まっているとゆーかソファーに吸い込まれてるふうに見えるのです。体が小さく丸まってるからでしょうが首なんか全くなくなっちゃってます。
「こんにちは!おひさしぶりです!」と奥の台所から顔を出すのは次女の早苗さん、奈良県にご家族とお住いです。毎週火曜日、電車を乗り継ぎこちらに来られています。 買い物や掃除機掛け、タクシーで通院同行されたりと、お母様をサポートされています。 この日は奥で台所仕事をされているようです。
改めてソファーに吸い込まれた状態の岸田様と向き合い、近況をお尋ねします。日常生活に特別変わりはないか?通院、服薬は?睡眠、排せつ、水分摂取量など一通り聞いて、今のところお困り事は無いそうですが、コロナウィルスが怖くて7か月間、美容院に行けずにいるとのこと。来週、早苗さんが車椅子を押して連れて行ってくれるのだという。 「ちょうどよかったです。こちらをお使いください」と厚労省より送られてきた配布用マスク(綿100%)2枚セットをお渡しすることができた。 岸田様は小鳥のようなかわいらしい声で 「いやぁー、おおきにぃ。助かりますぅ」と丸まった体をさらに丸め、ソファーの中でお辞儀をしてくださるのでした。
モニタリングも終わり、お暇のご挨拶をして玄関で靴を履いていたその時、後方で男性の声がする。凄みのある低い声で「さなえ...あれを。」「例のモノを...」 ん⁈
もう一人いるの⁈|д゚) 男の人いましたっけ❓|д゚) ギョッ‼として振り返るが岸田様以外誰もいない。 って、岸田様が!!岸田様の上半身が!! さっきと逆に反り返っています!!ふんぞり返ってますぅ!! ...。
その姿、威風堂々。人相もさっきまでと全然違う。
愁いを帯びたそのまなざし...それはまるで裏社会に咲くあだ花。
100%ゴッドファーザー...。
「ハイハイ!」と早苗さんがすっ飛んできて、なにやら白いビニール袋を渡された。
(´・ω`・)エッ?何?怖い、怖いよォ~:;(∩´﹏`∩);: ナニはいってんの? もしや札束?。
あるいは薬物?。ま、まさか動物の死骸?(;゚Д゚) あぁぁ、いかんいかん。映画「ゴッドファーザー」とごちゃまぜにになってしまっている! しっかり!、気をしっかり持つのよ、私‼ いつのまにかビニール袋を持つてがネチャ手になっているではないか。
さぁ、見ろ、中を見ろ! いち、にの、、、サン‼......。
白いビニール袋の中身は、 「ヤ、ヤク………」
「ヤクルト」
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